山田大使による年頭のご挨拶(令和2年)
令和2年1月8日
山田淳 駐アルメニア日本国特命全権大使

年頭の御挨拶(令和2年)
みなさま,明けましておめでとうございます!お陰様でアルメニアに着任してから2度目の新年を迎えました。
昨年は天皇陛下のご即位とともに新たな令和の世が始まり,日本にとって大きな節目の年でした。10月には世界中から賓客や祝賀使節が招かれて即位の礼が行われ,アルメニアからもサルキシャン大統領ご夫妻が参列されました。ともに古来の伝統と文化を誇る両国にとり,長く記憶に残る特別な里程標であったと思います。そして本年は,いよいよ東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。
アルメニアにおいては一昨年の政治的刷新を機に大きな改革が続いており,国内の随所に新鮮な活気がみなぎっていることを感じます。最近の世論調査でも,アルメニア国民の実に7割が国の将来を楽観的に見ているという結果が示されました。国民の自由な意思の表明として,いかなる時代・国においてもこの数字は画期的な水準でしょう。このことは,世界中に展開するアルメニア系ディアスポラが父祖の国に寄せる関心と支持の強まりにも端的に表れています。
そうした世界の注目を浴びる中,昨年もアルメニアにおいて世界IT大会をはじめ数多くの国際的な会合が開催されました。この国が先端技術に寄せる熱意の象徴として「グローバルIT賞」がありますが,その記念すべき第10回の受賞者に日本の金出武雄博士が選ばれたことも,日本とアルメニアの今後の協力にとって実に喜ばしい出来事でした。
日本はアルメニアの独立回復後,共に宿命である自然災害への対応を中心として多方面にわたる協力を実施してきました。今後はそれらに加え,現在進行中の政治・司法改革への貢献や,先に述べた世界の最先端のトレンドに遅れることなくユニークかつ互恵的な関係を構築していくことが日本にとっての重要な課題となるでしょう。折から昨年5月,コーカサス地域では初となる待望の日・アルメニア投資保護協定も発効しており,諸般の条件は整いつつあります。
昨年は「世界初の女性外交官」ダイアナ・アプカー女史の生誕160周年にあたり,曾孫の作成された映画も公開されました。日本を永住の地と定めアルメニアの土は一度も踏むことのなかったアプカー女史が成し遂げた偉業は,その背景をなした時代の悲劇とともに,永遠に人類の記憶にとどめられるべきでしょう。また,彼女が両国の間に架けた「橋」は幾多の人々の命を救うとともに,今日なお私たち両国民を強く結びつけています。本年も,日本からアルメニアへ,またアルメニアから日本へ向けて一人でも多くの方々がこの橋を渡り,世界でも類い稀な両国間の友情が未来に向けて一層広く深いものなっていくことを願ってやみません。
令和2年(2020年)1月
駐アルメニア日本国特命全権大使
山田 淳
昨年は天皇陛下のご即位とともに新たな令和の世が始まり,日本にとって大きな節目の年でした。10月には世界中から賓客や祝賀使節が招かれて即位の礼が行われ,アルメニアからもサルキシャン大統領ご夫妻が参列されました。ともに古来の伝統と文化を誇る両国にとり,長く記憶に残る特別な里程標であったと思います。そして本年は,いよいよ東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。
アルメニアにおいては一昨年の政治的刷新を機に大きな改革が続いており,国内の随所に新鮮な活気がみなぎっていることを感じます。最近の世論調査でも,アルメニア国民の実に7割が国の将来を楽観的に見ているという結果が示されました。国民の自由な意思の表明として,いかなる時代・国においてもこの数字は画期的な水準でしょう。このことは,世界中に展開するアルメニア系ディアスポラが父祖の国に寄せる関心と支持の強まりにも端的に表れています。
そうした世界の注目を浴びる中,昨年もアルメニアにおいて世界IT大会をはじめ数多くの国際的な会合が開催されました。この国が先端技術に寄せる熱意の象徴として「グローバルIT賞」がありますが,その記念すべき第10回の受賞者に日本の金出武雄博士が選ばれたことも,日本とアルメニアの今後の協力にとって実に喜ばしい出来事でした。
日本はアルメニアの独立回復後,共に宿命である自然災害への対応を中心として多方面にわたる協力を実施してきました。今後はそれらに加え,現在進行中の政治・司法改革への貢献や,先に述べた世界の最先端のトレンドに遅れることなくユニークかつ互恵的な関係を構築していくことが日本にとっての重要な課題となるでしょう。折から昨年5月,コーカサス地域では初となる待望の日・アルメニア投資保護協定も発効しており,諸般の条件は整いつつあります。
昨年は「世界初の女性外交官」ダイアナ・アプカー女史の生誕160周年にあたり,曾孫の作成された映画も公開されました。日本を永住の地と定めアルメニアの土は一度も踏むことのなかったアプカー女史が成し遂げた偉業は,その背景をなした時代の悲劇とともに,永遠に人類の記憶にとどめられるべきでしょう。また,彼女が両国の間に架けた「橋」は幾多の人々の命を救うとともに,今日なお私たち両国民を強く結びつけています。本年も,日本からアルメニアへ,またアルメニアから日本へ向けて一人でも多くの方々がこの橋を渡り,世界でも類い稀な両国間の友情が未来に向けて一層広く深いものなっていくことを願ってやみません。
令和2年(2020年)1月
駐アルメニア日本国特命全権大使
山田 淳
年頭のご挨拶(2019年1月)
着任のご挨拶(2018年5月)
略歴
着任表敬一覧
・サルキシャン大統領への信任状捧呈
・パシニャン首相への着任表敬
・ムナツァカニャン外相への着任表敬
・閣僚等への着任表敬